東京都港区芝公園4-4-13
東京タワーのふもとに2千坪もの敷地を持つ日本料理屋があるなんて初めて知った。3年前にできたそうで、前はボーリング場だったという。和風の本格的な建築物で、庭には池も水車もある。こんな東京の真ん中に、一体いくらお金かかったの?今どきこんなバブルなことする人がまだいるんだ!というのが、やっぱり第一印象。
広いバーで食前酒をいただき(僕はフローズンダイキリ)、4人揃ったところで個室へ移動。4人には広すぎる部屋で、お茶の道具などもさりげなく置いてある。窓からは日本庭園が見渡せる。なんという演出だろう。これでコース約1万円だから、料理には期待できないぞと腹をくくる。
「タコ、里芋、南京、湯葉の炊き合わせ」「あげ田楽」「マコガレイとスズキのお造り」「鯛そうめん」「ほおずきで山桃を包んだもの、鱧寿司、なす胡麻和え、とうふ味噌漬」「豆水とうふ」「カマス酒焼き」「鮎の炊き込みご飯」。お酒は一番安い「竹酒」をぐびぐびいただく。・・・なかなか美味しい。美味しいが、例えば恵比寿プライムスクエアの豆腐料理屋「旬泉坊つきじ植村」なら、このコースは5千円もしないだろう。
しかし、僕のような日本人が悪口を言っちゃあいけない。外国人観光客向けの店なのだ。仲居さんは皆英語を話す。値段だって、強いユーロをいっぱい持っているヨーロッパの人たちにしてみれば、リーズナブルに感じられる価格帯だろう。アメリカ人だってオーストラリア人だって中国人やインド人だって、「地球の歩き方」旅行じゃなければ、皆そう感じるだろう。お金持ちの外国人に好きになってもらわなければならない今の日本にとって、この店のやっていることは非常に意味がある。貢献度はきわめて大きい。政府が補助金を出してもいいくらいだ。せめて表彰したらどうか。あるいは各国の日本大使館や日本領事館で宣伝するとか。
がんばれうかい。僕は行かないけど、外国人には紹介します。