北海道斜里郡斜里町ウトロ温泉
0512-24-2104
知床2日目。早起きして温泉。朝食は「オーロラ」という「梅」の場所でバイキング形式でいただく。味はいいし、食べたいものを選べるのでこれはこれで快適。イカの刺身が食べ放題だったりするのは近くに漁場を持つ旅館ならでは。昨日に引き続き天候が悪く、予約していた午前中のホエールウォッチングは欠航。午後の「フレペの滝ツアー」を予約して午前中はジョッギングと温泉。ランチは近所の「潮風」で僕はカラフトマスの焼魚定食、Sは野菜醤油ラーメンと冷奴。
ネイチャーガイドのオノヤマさんの引率で「フレペの滝の遊歩道」を1時間ほどかけてゆっくり歩く。ミズナラ(ドングリのなる木)。トドマツ(モミの木に似ているのでクリスマスツリーに使う。エゾマツと違って葉が柔らかい。柑橘系の香りがする)。ホオノキ(ホウ葉焼きのホウノキ)、アオダモ(野球のバットに使う硬い木)。シラカバ(役に立たないが見た目がよいので伐採されず生き残った)。サルナシ(キウイの原種)。ナミキソウ(波来草と書く紫色の小さくてかわいらしい花)。キオン(黄苑と書く黄色の花があたり一面に咲き誇る)。ハンゴンソウ(半魂草と書く。人間の手の形をした葉が下に垂れて幽霊の手のように見える)。クマザサ(熊とは関係ない)。ワラビ(大きくなると普通のシダになってアクが強くて鹿も食べない)。カシワ(柏餅の柏、風に強く最前線で後方の原生林を守る偉い木)。カエデ。ニレ。コルク。エンジュ。山ブドウ。ツルウメモドキ羅臼岳をはじめとする知床連山のふもとに広がった森に囲まれた盆地のようなこの土地は、海からの風が強くて木が育たないためにできたのだそうだ。森と木のピアッツァ。緑の草原。黄色と紫のお花畑。そして、いたるところに、エゾジカ、エゾジカ、エゾジカ。知床の森が耐えられる鹿の数は7千なのに、1万を超えて繁殖してしまった。適切な数に抑えるため部分的に駆除しているらしい。鹿は見るとかわいいが、皮をペロっと食べられて養分が上に運べずに枯れてしまったたくさんの木を見ると、「害獣」だということがよく分かる。遊歩道の最後に高台に上がると「フレペの滝」が見える。羅臼岳から地下水が流れて崖の割れ目から染み出て滝になっている。川のない滝。ここに黒い羽根のウミウ(海鵜)が巣を作り、白い羽のカモメが飛び交う。絶景であった。
旅館に戻って温泉と昼寝。さてディナーは「松」の「かざ華」。昨日とはうって変って手の行き届いた個室に通される。サービスの人たちもベテラン揃いで気持ちの良い対応をしてくれる。これは楽しい食事が期待できそうだ。地ビールと日本酒を頼んで、「知床の旬」と名づけられたコースに挑む。
【冷製】斜里産メークィーン芋スープ。
【季節の珍味】ウトロ産カスベ酢味噌和え、滝川産北海鴨たたき、ウトロ産マガレイえんがわコブジメ、斜里産赤ホヤ、網走産北海シマエビ。
【強肴】ウトロ産毛蟹洗い/毛蟹むき身甲羅盛り/生ウニ。
【御造り】ウトロ産青ソイ/ボタンエビ、クロカレイ/ホタテ
【焼物】ウトロ産サメガレイ西京焼/谷中/スダチ
【中物】ウトロ産メンメ沢煮/季節の野菜。
【台物】<山海石焼>タラバガニ、有頭エビ、ウトロ産ホタテ、斜里産ホッキ貝、ウトロ産ツブ貝、知床牛、シシトウ、カボチャ、タマネギ、シイタケ、マイタケ。
【汁物】斜里産知床地鶏蕎麦。
【デザート】道内産メロン、ケーキ2種。
【凌ぎ】ウトロ産塩ウニ茶漬け。
これだけでもすごいが、この豪華なコースに加えて、何と!生きたままのタラバガニが1匹ドーンと出てきた。脚を6本ワサビ醤油で食べて、残りは茹でてもらって食べた。美味しいのと気分が高揚しているのとで何とか最後まで食べたが、さすがに胃が苦しい。まるで東京12チャン土曜スペシャルのような凄絶で壮絶な飽食体験であった。それにしてもまだまだSも僕も(胃が)若いなあ。