渋谷区広尾3-2-13
03-5464-1288
Sがなかなかよかったと言うので、最近ダンチューなどに露出の多い広尾のペルゴラへ行く。2人掛けのテーブルが5つだけの小さなダイニング。外に個室がひとつあるらしい。南側の窓からはライトアップされた和風の庭が見える。西側の窓は駒沢通りに面していて車の音が少々うるさい。道路を挟んで中華料理屋が見える。とりあえずスプマンテをいただく。前菜とプリモとメインを選ぶプリフィクススタイル。ワインリストには高いものが並ぶが、ロンバルディア州のネビオーロで作った赤(Valtellina Superiore Sassella Riserva)を選ぶ。
まずアミューズが2品、アスパラガスのコロッケと、エビと空豆のスープ。前菜は「白子のカツレツ」「サヨリカルパッチョと生カキのジェラード」、パスタは「カラスミと芝エビのトレネッテ(手打ちリングイネ)」「ペペ・アロマティコ(黒胡椒)とパルミジャーノのタリアテッレ」、メインは仔羊と牛肉。確かにイタリアンにしてはアイディアに富んだ手の込んだ料理で、イタリア本場の高級リストランテ路線を志向しているのは分かる。
ただ、ホスピタリティという意味ではどうだろう。(1)予約のときにワインの持込を頼んだら断れた。(2)注文のとき、僕もSも豚肉が食べたいと思ったが、豚肉の料理は「グリーンペッパーソース、2人前から」しかない。唐辛子に弱いSが、辛くないソースに代えるか、それが無理ならソースを肉にかけずに横に置くかしてほしいと頼むが、どちらも無理と言うので豚はあきらめた。(3)このやりとりを知っている筈なのにアミューズでかなり辛いスープが出てきた。軽く苦言を呈すると、サービスの男性は謝りもせず、「これから出てくる料理は大丈夫ですよ」と、まるで辛いか辛くないかはシェフが決めるもので、たまたま辛いのがもう出てこないから運がよかったですね、という感じ。(4)メインの前にデザートリストを持ってきて、作るのに40分かかるものがあるから今決めろと言う。(5)食後にグラッパを頼むとグラスの底に1センチしか注いでくれない(これで1,800円。飲み干したら注ぎ足すかとかすかに期待したら、すぐにグラスを下げられた)。(6)帰り際、大して混んでもいないのにシェフは挨拶に出てこなかった。
多分ここのシェフは自分が出したいものを出したいように出すのが好きなのだろう。でもそれをありがたがって来る若い客も多いだろうから、繁盛するんじゃないかな。僕は、気持ちのいい店じゃないと嫌なので、もう来ないと思う。