7日目。クルーズ最終日。午前中は3日ぶりにジム→ジョギング→ジャグジ。
昼食は4つ目のプレミアムレストランJefferson's Bistro。ジャズ・ビストロという趣向で、今日だけ午前11時から午後2時までレストランの中でジャズカルテットが演奏してくれる。僕たちはバンドのすぐそばのテーブルを選んで、モダンジャズの本格的な演奏を楽しみながら食事をするという贅沢をした。バンドの人たちとはもう顔見知りなので、会話も楽しめる。食べたのは、チキン・サラダ、アスパラガスのロースト・ビーフ巻き、サーモンのマリネ、フレンチ・トースト、エッグ・ベネディクト、アスパラガスのポタージュ。NYで何度か楽しんだ日曜日の(シャンパン)プランチを思い出した。エッグベネディクトなんて別に何て言うことのない家庭料理だが、雰囲気だけでとても美味しく感じられる。ワインはBeaujolais-Villages, Louis Jadotというブルゴーニュの赤。2007年。味わいが薄くて、昼にはちょうどよかった。
午後は読書くらいするしかすることがない。あまり書いてないが、クルーズでは何もすることがない時間がずいぶんあるので、普段読まない小説を読んでいる。読み終わった本は船の図書館に寄贈した。
夜、夕食の前にダンスホールでフラダンスショー。本格的なフラダンサー2人。バックバンドはジャズカルテット+ハワイアンコンビ(ギター+ボーカルの人とキーボードの人。プールサイドでいつも演奏していた)。これが何ともよかった。ハリウッド映画が作り上げた米国本土白人向けのハワイアンミュージックに合わせたダンスだろうと高を括っていたら、それもあったけれども(ブルーハワイetc)、フラの歴史や文化を説明しながら本物に近いフラダンスもやってくれて、とても興味深かった。最後は客が立ち上がって手をつないで身体を左右に揺らしながら「アロハオエ」を合唱するという、感動的なフィナーレ(って大げさだけどね)。
ところで「アロハオエ」という曲は誰でも知っているが、米軍がクーデターを起こしてハワイ共和国(米国ハワイ州になる前)を作ったときの最後のハワイ王国の女王が、米国本土に幽閉されているときに故郷を偲んで作った歌であるということを知る人は少ないだろう。僕も今回の旅行を機に池澤夏樹の『ハワイイ紀行』を読むまで知らなかった。『ハワイイ紀行』はハワイに旅行するすべての日本人が読むべき本であると強く思う。
クルーズ最後の夕食はメインダイニングLiberty。「ほうれん草とたまねぎのパイ」「椎茸のリゾット」「8オンスのサーロイン・ステーキ(今日はミディアムにしたもらった)」「ポレンタのパンケーキ、トマトソース」。ワインは昼のボジョレーの残り、グラスでピノ・グリージョ(Danzante、Toscano)とカベルネ(St. Francis、 Sonoma)。アメリカの船でアメリカ人が作ってアメリカ人がサーブしてアメリカ人と一緒に食べるアメリカ料理は、やはり最後まで美味しかった。やっぱり3年住んだ国なんだなあ・・・。
食後、最後のTaylor君のライブを少し。さあてパッキングだあ(下船時に自分でスーツケースを運びたくなければ午前0時までに廊下に出しておけと言われているため)。