お昼はいつもの小田原時よしで寿司。オニカサゴ、鯛の湯引き、平目の昆布じめ、コハダ、アジ、サバ、アカイカ、赤貝、青柳、ホッキ貝、トリ貝、ウニ、小アジ、カンピョウ巻き、ゴボウ巻き。
さて、いよいよ温泉だ。心身ともにリフレッシュするのだ。ここ5年以上純和風の温泉旅館に来ていないのが悔しい。湯河原駅からタクシーで移動中、イノシシの親子に出会う。運転手さんも珍しいと言っていた。
温泉旅館「石葉」は9室しかないこじんまりした旅館。露天風呂に4回行ったが一度も他の客に会わず、極めて快適だった。他の風呂付の部屋の人たちは部屋から出ないのかもしれない(僕らは風呂なしの部屋)。
ここ石葉は食事が美味しいと評判の宿である。半身浴で汗を流しておなかを減らして、いよいよ夕食。「先付 枝豆すり流し」「八寸 酒肴いろいろ(イチジクのクルミあんかけ、茗荷の生姜煮、蛸の柔らか煮、とうもろこしのフライ、穴子のゴボウ巻き、鯖寿司)」「お造り スズキ、アジ、アカイカ」「お椀盛 ウニと蓮根餅とはりうど」「焼肴 鮎塩焼」「お口直し トコブシとセロリのゼリー酢」「蓋物 伊豆牛と冬瓜」「進肴 鮑とズッキーニとアスパラガスの薄衣揚」「強肴 ずいき葛仕立て」「ご飯 とろろ麦飯、香の物」「水菓子 西瓜」「甘味 わらび餅」。酒は伊豆の地酒を冷で。
日本の懐石料理は酒の肴をたんたんとゆっくり食べるスタイルで、メインディッシュに向かって山を登っていくフレンチやイタリアンに比べると盛り上がりに欠けるとも言える。しかし、こうやって温泉宿で浴衣姿で仲居さんのお世話になりながらゆっくり食べるのは、何とも幸せな気分になるものだ。いやあ日本料理は温泉宿で食べるに限りますね。