Rua Marques de Fronteira
21 386 22 11
5日目の寄港地はリスボンポルトガルの料理はとても美味しい。5年前に行った南部の海辺のレストラン「ヴィラ・ジョヤ」のことは今でも忘れられない。そのときポルトガルには☆のレストランがヴィラ・ジョヤ1軒しかなかったのだが、その後リスボンのレストランが☆を取ったようだ。ぜひ行かねばなるまい。
地下鉄の駅を降りて「デパ地下」で食材を物色、おみやげのお菓子や自宅用のチーズを買う(ところでこのデパートの魚介類の豊富さには度肝を抜かれた。東京のどのデパートも間違いなくかなわない)。そのデパートからほど近く、エドゥアルド7世公園の北側に接する小高い丘の上にひと際目立つ赤くて大きな建物がある。これが☆1『イレブン』である。中に入ると、大きな窓からダウンタウンテージョ川を見渡すことができる。景色の素晴らしさに食べる前から盛り上がる。
食前酒はポルトの白。5年前に覚えたことだが、ポルトガルに来たらこれ飲まなきゃ。食事は2種類あるコースのうち皿数のすくないほうを頼む。ワインはグラスで、ドウロDouroの白とアレンテージョAlentejoの赤。さていよいよ料理だ。アミューズは「キノコのムース、クスクス、パイ」「エンドウ豆のクリームスープ、エビ入り」「イワシのテリーヌ、サラダ」。ポルトガルと言ったらイワシの塩焼きだが、そのイワシを上品に美味しく仕上げてくれて感動する。「根菜のクリームスープ、ラビオリ」が舌を落ち着かせてくれる。メインは2人で魚と肉を選んでシェアする作戦。「3種類の白身魚を焦げ目がつくようにローストしたもの、エビカニ系ソース、ホウレン草のムース」は焦げ目の苦味が素晴らしい。こんな苦味を活かす西洋料理ってめずらしいのではないだろうか。「豚の肩肉を柔らかく茹でたもの、ビーツのソース」は豚とビーツの相性の良さに驚く。
すべての料理を通じて油と塩をほとんど感じない、優しくて上品でまるで一流の日本料理のようだ。そのせいか満腹感がなく、チーズのワゴンから2人とも3種類ずつ食べてしまい、デザート2種(キウイとレモンのシャーベット、イチゴのケーキ)まで完食してしまった。
Elevenという名前の由来を聞くと、11人の出資者で始めたことと、その11人の国籍が多彩なためにいつも英語で話していたから、とのことであった。開店は2004年。旨いもの好きの人は、リスボンに行く機会があったら絶対に行くべきである。ポルトガルの人が作る料理は日本人にとって最高の西洋料理かもしれない。
クルーズはここで折り返し明日から後半戦。この日は夕食を抜いて胃の調子を整えることにした。