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「大分の郷土料理がいかに旨いかぜひ食べてみてほしい」と言う知り合いに連れられて、大分駅近くの都町と呼ばれる繁華街にある郷土料理の店を訪れた。店名は内緒。
酒は麦焼酎「舞香」。これが尋常な味じゃない。まるでアイラ島のシングルモルトのような個性的な香りと味わいの深さがあって、焼酎とは思えない。
付き出しに続いて「オコゼ、タイ、ウニの刺身」。オコゼは白身に皮と肝を合わせて大葉で包んで食べる。文句なく美味しい。「自家製豆腐」はチーズと言われても信じてしまうコクのある味。赤ワインに合いそうだ。「ハタの煮付」は強めの味付けに魚の旨みが負けてない。「メゴチの唐揚」は苦味がいい。「コネリ」（苦瓜、人参、玉葱を炒め煮にして小麦粉で和えたもの）はほっとする郷土料理。「魚介と野菜の天ぷら」は素材の勝利。特に野菜が素晴らしい。
ここで酒が「兼八」　に変わる。これも麦。「舞香」的な方向性だが、更に強く、深い。どうやらかなり入手困難なシロモノらしい。「豊後牛のステーキ」をつまみにして一級品の焼酎を味わう、なんとも贅沢な展開だ。最後は「桑の葉のご飯」。大満足の大分郷土料理フルコースでありました。
僕には、今日のような、日本の地方を旅して郷土料理を食べるという東京12チャンネル的な体験がほとんどない。すごく勿体ないことをしていると痛感した。日本の田舎をもっと食い散らかしたいものだ。