ゲイの演出家が凄い

2002年のトニー賞を取り、今でも人気が衰えない大人向けの作品。金に困ったベテランプロデューサーと会計士が、わざとひどい作品を上演してすぐに打ち切りにし、出資金を騙し取る計画を立てる。2人はこれを実行に移すが、思惑が外れて上映した作品が当たってしまう。
セリフによるギャグよりもドタバタギャグが多かったので、僕にも分かりやすかった。ミュージカルでこれほど笑ったのは初めてだ。しかし、アイロニーというかブラックジョークが強烈すぎて、少々心配になった。ゲイのアーティストたちを散々コケにして笑うのはまだいい。何とユダヤ老婦人たちを騙して出資金を巻き上げてナチスドイツ礼賛の舞台を作ってしまうのだ。まあ、これがあまりにもできが悪いので、結果としてナチスをコケにする作品となってユダヤ人の観客に大受けてしまった、というわけなのだが。
とにかく傑作。今まで見たミュージカルで一番。(二番はヘアスプレイかなあ。)