美術館入口

港区白金台5-21-9
天皇誕生日庭園美術館へ行く。ここは元々は1933年に建った朝香宮邸で、吉田茂の外相・首相時代の公邸、日本の迎賓館などを経て、1983年から都が運営する美術館として使われている。つまり建物自体が、当時のアール・デコ様式装飾美術を現代に伝える美術品である。木々が生い茂る、夏でも涼しい広い庭があり、近所に住む我々にはとてもありがたい場所だ。
今日の庭園美術館は「パリに咲いた古伊万里の華〜日本磁気ヨーロッパ輸出350周年記念」展の最終日であった。古伊万里は17〜18世紀にヨーロッパに輸出されていた有田の磁器である。当時のヨーロッパでは、日本や中国から来る東洋の磁器が王侯貴族の宮殿を飾っていたらしい。およそ実用的とは言えないやたらでかくて装飾過多な美術品で、いかにもヨーロッパのお金持ち好みのものという気がする。以前みなとみらいの横浜美術館で見た江戸末期から明治初期にかけての、日本人が日本人のために作った美術品のほうが僕にはずっとよかった。